(674)三郡の水平らかに稲の花/石井露月(1873~1928年)
稲の花を、一度だけ見たことがある。黄色というか白というか、小さな花が稲穂にこびりつくように咲く。咲き始めると次から次へと花を付け、見渡す限りが稲の花。稲の花は1時間程度しか咲いていないので、こんな景色は本当にレアだと思う。「三郡」は別に何何郡、何何郡と限定したものではなくて、広々と続く田んぼの景色…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。