未利用魚、おいしく活用 石巻専修大・鈴木准教授が提案 練り物やサプリにも
漁獲量が少なくサイズもバラバラ、鮮度も落ちやすいなどの理由で市場に出回る機会の少ない「未利用魚」や、使われる頻度が低く、安く取引される「低利用魚」の流通・需要拡大に向けた勉強会が18日、石巻市の石巻専修大で開かれた。同大で海洋生物などを研究する鈴木英勝准教授が活用方法を提案した。
県内の水産加工会社や漁業者、自治体の職員ら約40人が出席。鈴木准教授が三陸沖で捕れる「カナガシラ」やタラの一種「オニヒゲ」など、9種類の成分や活用方法を紹介した。
カナガシラは頭部が固く加工しにくいため、1キロ当たり40円ほどの安値で取引される。コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあるタウリンが多く、皮にはコラーゲンも含まれる。刺し身や天ぷらで食べるのがおすすめだという。
オニヒゲは小さなとげ状の突起が付いたうろこが特徴。白身で味に癖がなく、石巻市が練り物で試作品を作った他、海産物の全国有数の水揚げ量を誇る静岡県沼津市では既に飲食店でも提供されている。
同大は今後も研究結果を発表していく予定。未利用魚の多くはサプリメントの原料にも使えることから、勉強会を漁業現場と企業をつなぐ場にしたいと考え。
鈴木准教授は「未利用魚などは観光資源になり得る立派な食材。海洋環境の変化で、これまでと同様の魚種、水揚げ量を確保できる時代ではなくなった。目の前にあるものの良さを発信していきたい」と語った。
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