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学校防災、地域との連携探る 石巻市教委がフォーラム 釜石中のカリキュラム紹介

学校と地域の連携について意見を交わしたパネル討論

 石巻市教委が主催する本年度の学校防災フォーラムが8日、市遊楽館で開かれた。地域と共に防災教育を進める釜石市釜石中の事例報告やパネル討論があり、参加者は学校と地域の連携について考えた。

 山形大地域教育文化学部の熊谷誠講師が「地域組織や人材と協働した学校防災の自校化」をテーマに講話し、2017年度から関わる釜石中の防災教育について紹介した。

 この中で学年ごとのカリキュラムを見直し、2年生は地域の危険箇所と避難経路を検証するため、地元自治会関係者の協力を得て街歩きを実施。3年生は避難所に関する学習で市防災担当者から避難所の機能を学んだ。地域の津波避難訓練を検証し、学校と地域共通の課題を共有した。

 熊谷氏は「7年かけて地域団体とつながり、防災教育のパッケージ化が進みつつある。学習内容をカリキュラムに組み込み、本年度の3年生から『釜石復興マイスター』の認定開始を予定する。石巻でもアイデアとして使ってほしい」と述べた。

 「地域ぐるみの学校防災体制を充実させるために」をテーマにしたパネル討論では、熊谷氏のほか、石巻市山下中学校運営協議会の田村茂委員、同市蛇田中の千葉正人校長らが意見を交わした。

 東北大災害科学国際研究所の桜井愛子教授は「防災について一緒に考え取り組むことで学校と地域の関係は育っていく。学校運営協議会委員と教員との顔の見える関係、風通しのいい関係をつくる」と提案した。

 市内外の小中学校教員や地域の学校防災関係者ら約170人が参加した。事例報告に先立ち、石巻市の住吉小と山下小、山下中の児童生徒が復興・防災マップの取り組みを発表した。

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