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岩井監督、石巻で舞台あいさつ 映画「キリエのうた」 矢本駅などでロケ

舞台あいさつする岩井監督(左)とアイナ・ジ・エンドさん

 石巻や東松島などで撮影した岩井俊二監督(仙台市出身)の最新作「キリエのうた」(東映配給)の試写会と舞台あいさつが23日、石巻市茜平4丁目のイオンシネマ石巻であり、岩井監督と歌手で映画初主演のアイナ・ジ・エンドさんが作品をPRした。

 一般向けの試写会は石巻が全国で最初。女性6人組グループ「BiSH」時代からアイナさんのファンという市民らが詰めかけ熱気に満ちた。映画は石巻と大阪、帯広、東京を舞台にキリエの歌がつなぐ4人の物語で、13年間に及ぶ出会いと別れが描かれる。観客は羽黒山や桜坂高の通学路、JR矢本駅などがロケ地となった岩井作品に見入った。

 上映終了後の舞台あいさつで岩井監督は、リボーンアート・フェスティバルに関わっている小林武史さんが音楽を担当したこと、石巻に友人がいて東日本大震災後に再会できたことなどを紹介、石巻との縁を強調した上で「自分の古里に帰ってきた感覚で撮影した」と語った。また「ささやかなサイズのロードムービーにするつもりが、アイナさんと出会って歌で紡ぐスケールのある話に変わった」と明かした。

 アイナさんは「頂いた役は歌うことが全てという女性。まるで自分のようだった」と振り返った。この後、小林さんが作詞・作曲した主題歌「キリエ・憐れみの讃歌」を熱唱、観客をキリエの世界に引き込んだ。

 公開は10月13日から。

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