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ケヤキ並木、消えるガソリンスタンド 仙台・定禅寺通の店舗きょう31日閉店

31日が最後の営業となるガソリンスタンド

 仙台市青葉区の定禅寺通の東二番丁通-西公園通間にある唯一のガソリンスタンド(GS)が31日、40年余りの歴史に幕を下ろす。運営する遠藤商事(山形市)によると、売り上げの減少や設備の老朽化が主な理由。同区間は景観保全を目指す市の地区計画でGSの新設が禁止されており、ケヤキ並木の街角で給油する風景が消えることになる。

業績低迷や設備の老朽化など理由に

 「コスモ石油定禅寺通りサービスステーション」は1982年、青葉区春日町に開業。交通量の多い定禅寺通と晩翠通に面した好立地で、営業車など法人を中心に需要は底堅かった。

 近年は郊外の低価格GSとの競争、リース車の普及による車両整備の件数減で売り上げが減少。老朽化した地下タンクなど、改修に数千万円規模の出費が必要と分かり、事業継続を断念した。

 定禅寺通では、車道を片側2車線以下に減らす市の再整備事業も進む。遠藤商事仙台支社の担当者は「改修して事業を続けても、業績の改善は難しいと判断した」と話す。

 閉店の告知は8月1日に貼り出した。同店の横山薫マネジャーは「市中心部にGSが少ないこともあり、『残念』『困る』などの声が寄せられた。30年近く利用いただいた客もおり、非常に申し訳ない」と無念そうに語った。

 定禅寺通は、魅力ある景観の形成と保持を目的とする市の地区計画区域で、GSやパチンコ店などの新設ができない。同店の土地と建物を所有するコスモ石油プロパティサービス(東京)は、閉店後の用途は「未定」と説明する。

 同店を囲む隣接地は、東京の大手不動産会社が既に取得している。マンション開発目的とみられる。

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