川遊び客の迷惑駐車やごみ放置、住民悲鳴「緊急車両通れぬ」 仙台・秋保
仙台市太白区秋保地区の住民から「川遊びに来た人たちの迷惑駐車やごみの放置がひどい。緊急車両の通行もままならない」との困惑の声が「読者とともに 特別報道室」に寄せられた。迷惑駐車、ごみ放置とも名取川上流の羽山橋付近に集中。仙台市は注意を喚起するが、強制力はなく対応に苦慮している。
認知度高まりマナー悪化 看板100枚以上設置も効果なし
今月上旬、現場に出向くと、羽山橋付近の道路に約40台の車両が路上駐車の列を成していた。付近は駐車禁止区域ではないため、市は約500メートルの区間に三角コーンを約250本、路上駐車自粛を呼びかける看板を約100枚以上設置しているが、効果はないようだ。
地元住民によると、路上駐車やごみの散乱が増えてきたのは10年ほど前。交流サイト(SNS)などを通して、家族連れを中心にバーベキューなど川遊びスポットとして知られ始めた頃とみられる。
橋近くで商業施設を営む男性(43)は敷地内に駐車したドライバーを注意しても、素知らぬ顔で「動かそうと思っていた」と言われた。「多くの車が駐車しているので、自分だけが悪いわけではないという考えなのだろう」とこぼす。
道路の幅が狭いため、救急車の到着が遅れたこともあった。周辺には高齢者の住民が多く、不安は大きい。自宅に車で戻る際に遠回りを余儀なくされる住民も。道路内側の私有地を除草したいが、草を刈ると車が止められやすくなるので控えているという。
ごみの放置も深刻化する。地元住民の清掃活動では、バーベキューなどによる大量のごみが集まる。子ども連れの家族が多いこともあり、紙おむつも捨てられていた。住民は「バーベキューなどは仕方ないけど、せめてごみだけでも持ち帰って」と訴える。
市秋保総合支所の佐伯朋和地域生活係長は「駐車場増設はさらに川遊び客を招くことになるのでやめた。当面は三角コーンと看板で注意喚起を続ける。川遊び客は交通ルール順守など地域住民に配慮した上で楽しんでほしい」と呼びかける。(渡辺拓斗、中村楓)
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