(707)豊の秋筋を通して疲れたる/山田桃晃(1929年~)
物事の筋を通すというのは、当たり前のようで疲れるもの。周りがだらしないと、自分ばかり心労が溜(た)まる。ことにいい加減(かげん)な相手に対しても自分はしっかり筋を通すとなると、たいへんだ。「あの人は面倒くさい」などと陰口をたたかれることになる。豊の秋、すなわち収穫の頃までは、苦労もいろいろあったろ…
関連リンク
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- ・(702)秋ふかく鏡の君と入れかはる/堀田季何(1975年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。