女川町長選 須田氏、無投票4選 町議選は12人で選挙戦に
任期満了に伴う女川町長選と町議選が17日、告示された。町長選は現職の須田善明氏(51)以外に立候補の届け出がなく、2011年の初当選から4期連続の無投票当選を決めた。定数11の町議選には現職9人、新人3人が立候補。選挙戦に突入し、各候補は地区の集会所や商業エリアなどで第一声を上げた。投開票は22日。
午後5時に届け出が締め切られると、同町鷲神2丁目の選挙事務所は当選の一報を聞いた支持者ら100人以上の拍手に包まれた。関係者から花束を受け取った須田氏は「復興とは違う新しい道をつくる4年間になる。女川町だからできるやり方で、一人一人が喜び、笑顔になれる取り組みをしていく」と決意を述べた。
4選は東日本大震災後の新たなまちづくりで、実行力とスピードが一定の信任を得た結果と言える。3期目は町民らに新たなまちづくりへの参画を促す事業「町民会議」をスタートさせた。新型コロナウイルス禍や物価高騰の影響を受ける事業者や町民への支援なども展開してきた。
須田氏は町議会9月定例会で立候補を表明。公約には将来に向けた町の財政安定化や基幹産業の水産業、商工業の活性化、人口減少に対応した子育て世代の負担軽減、地域交通の充実などを掲げた。
東北電力女川原発2号機(女川町、石巻市)の再稼働も目前に迫る。重大事故発生時の避難計画の実効性向上を図り、事業者に対し安全対策の強化を求める必要がある。無投票が続くことで町政に対する関心低下も懸念され、次世代を担う人材の育成も求められる。
須田氏は女川町出身。明大卒。会社員を経て1999年に県議に初当選。3期目途中で辞職し、震災後の2011年11月の町長選に立候補し、無投票で初当選。2、3期目も無投票だった。
任期は11月13日から4年。16日現在の有権者は5062人。
女川町議選 立候補者(届け出順)(定数11-立候補12)
※注:略歴は氏名、年齢(投票日22日基準の満年齢)、党派、現新別、( )付き数字は当選回数、現職もしくは代表的肩書、〔 〕内に主な経歴。本籍地もしくは出身地、最終学歴の順。党派の略称は無=無所属、共=共産党、【 】内は推薦。
阿部律子(あべ・りつこ)67、共現(5)、政党役員〔会社員〕、一関市、岩手県立盛岡短大
鈴木良徳(すずき・よしのり)59、無現(1)、自営業、女川町、石巻工高
阿部薫(あべ・かおる)73、無現(3)、会社顧問、女川町、宮城水産高
木村公也(きむら・こうや)63、無新、無職〔町職員〕、女川町、石巻商高
鈴木公義(すずき・きみよし)65、無現(5)、漁業、県漁協女川町支所運営委員、女川町、石巻高
佐藤良一(さとう・りょういち)78、無現(8)、元生花販売業、町老人クラブ連合会会長、女川町、宮城水産高
宮坂千尋(みやさか・ちひろ)29、無新、無職〔会社員〕、女川町、聖和学園高
宮元潔(みやもと・きよし)53、無現(2)、会社役員、町商工会理事、女川町、日大
佐藤誠一(さとう・せいいち)64、無現(1)、行政書士〔町職員〕、女川町、仙台大
隅田翔(すみた・しょう)40、無現(1)、大学非常勤講師、石巻サッカー協会副会長、千葉県市川市、駒沢大
高野晃(たかの・あきら)51、無現(1)、元団体職員、女川町、県農業短大=【共】
相沢英宏(あいざわ・ひでひろ)51、無新、会社社長〔会社員〕、仙台市、北海道情報大中退
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