女川町議選 再稼働議論は下火、決定事項「話題にしても…」 有権者「心配多い」
22日投開票の女川町議選(定数11)は終盤戦に入った。現職9人、新人3人が立候補する混戦。子育て支援や高齢者対策などが盛んに訴えられる一方、来年5月に迫る東北電力女川原発2号機(女川町、石巻市)の再稼働の議論は低調だ。有権者は「重大事故時の避難など、心配な面も多い。もう少し話題になってもいい」と活発な論戦を求める。
<賛否明言は少数>
「原発の危険から町民の安全を守るために、議会の場でしっかり発言させてほしい」
告示の17日、再稼働に反対する無所属現職は町中心部で行った第一声で支持者らに訴えた。「避難計画に実効性が感じられない」。期間中は選挙カーを各地に走らせ、論陣を張る。
別の無所属現職は町中心部での第一声で、再稼働に触れた上で「日本にはエネルギーミックスが必要」と強調。「町にとって経済効率の高いものは何かを考えていかなければいけない」と町の経済全体で捉えるべきだとの考えを訴えた。
ただ、このように再稼働に触れるのは少数。町が少子高齢化に悩む中、子育て支援、高齢者対策を訴えの中心に据える候補が多い。
候補者数人の訴えを聞いたという60代女性は「町民も日常生活に関わる政策を聞きたいので、同じ考えの人も多いだろう」と話す。
再稼働を議論する環境は、前回選のあった2019年とは異なる。再稼働の賛成の陳情や請願を県議会、石巻市議会、町議会が採択し、村井嘉浩知事は20年11月に「地元同意」を国に伝えた。女性は「決定事項を話題にしても仕方ないと思っているかもしれない」と町民の思いを代弁する。
<町民の興味反映>
また別の無所属現職は「避難計画などを疑問視する人が多いのは理解している」としながら「原発は町に固定資産税など大きな収入や産業をもたらしている。触れないというより、有権者の関心を意識した結果なのではないか」と語る。
60代の自営業男性は「女川に原発は必要だと感じるが、安全対策がしっかりしていないと意味がない。住民の意見を吸い上げ、町の課題として向き合ってほしい」と話した。
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