(726)受け手なきボールを壁に秋の暮/二川茂徳(1940年~)
キャッチボールは野球の基本だが、相手がいないことにはできない。子どもの頃に少しでも上手になりたいと、近くの寺の石垣に向かってボール投げをしていたのを思い出す。住職も大目に見てくれて、早く帰れと言われるだけだった。秋の暮れは日の沈むのが早く、跳ね返ってくるボールが見づらくなる。一人での練習のうら寂し…
関連リンク
- ・(725)水のあるしあわせ秋の燈が映る/佐々木とみ子(1932~2015年)
- ・(724)小鳥来る一人ぼっちの帰り道/柴崎来夢(2006年~)
- ・(723)敗戦にみな焼く万葉集だけ残し/小田保(1921~1995年)
- ・(722)夜の新茶一人の刻をいとほしむ/竹内葉子(1931年~)
- ・(721)腕時計失くして広き花野なり/関根杏華(2005年~)