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石巻市2024年度予算編成方針 事業見直し業務効率化 持続可能な財政運営目指す

 石巻市は、2024年度の予算編成方針を固めた。東日本大震災の復興計画期間終了で通常の予算規模へと転換する中、既存事業の見直しや業務効率化を進め、歳入に見合った健全で持続可能な財政運営の実現を目指す。26年度までの財政収支見通しの中間案をまとめ、貯金に当たる財政調整基金が3カ年で約63億円減少する厳しい財政状況を踏まえた。

 予算編成の基本方針は「健全で持続可能な財政基盤の確立」。歳入に見合った歳出を徹底した上で、行政コストに対する職員の意識改革を図り、安易な前年度踏襲予算からの脱却や業務効率化を目指す。

 23年度一般会計予算は当初が約721億円で、9月補正後の累計は約778億円。収支見通しでは、24年度は約785億円と試算した。歳入は市税が横ばいで推移し、震災復興特別交付税が25年度で終了することに伴い地方交付税の減額が見込まれるなど厳しさを増す。

 歳出は合併特例債を活用した大型事業の元金償還開始による公債費、復興事業で整備した公共施設の維持管理費などの負担が重みを増す。

 歳入不足を補う財政調整基金残高は22年度末で約86億円で、23年度末に約79億円に減る見込み。さらに24年度からの3カ年で約63億円減少し、26年度には残高が約16億円になると試算した。毎年度30億円程度を取り崩す想定で、改善が図られなければ27年度には予算が組めない危機的状況となる。

 渡辺伸彦副市長は今月の課長級職員対象の説明会で「一段と厳しい財政状況が見込まれる。知恵と工夫、事業の取捨選択など既存業務を抜本的に効率化し、新たな財源を生み出して付加価値の高い事務事業の進行に努めてほしい」と呼びかけた。

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