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生カキ出荷始まる 解禁日1カ月遅れ、高水温影響 県漁協

カキの殻を手際良くむいていく生産者ら=石巻市渡波の万石浦鮮かき処理場

 県漁協は30日、今季の生食用カキの出荷を始めた。高水温が続いた影響で成育が遅れ、品質検査でも食用に適さない「卵持ち」が多かったことから、県が指針とする解禁日(9月29日)から1カ月ほど遅らせてスタート。石巻市内では早朝から生産者らがむき身作業に追われた。

 石巻市渡波の万石浦鮮かき処理場では午前6時半ごろ、生産者やむき子約120人が集まり作業を開始。前日までに水揚げして殺菌処理したカキ約1.2トンの殻を一つ一つ丁寧にむいていった。

 市内の県漁協石巻総合支所であった入札には県内40カ所の処理場からむき身約9.6トンが入荷。10キロ当たりの平均価格は昨年より2720円高い3万851円、最高価格は4万1000円だった。

 県漁協石巻湾支所の丹野芳広カキ部会長(59)は「サイズは小粒だが身入りが良く、1カ月待ったかいがあった。石巻のカキは甘くて濃厚な味が特長。寒くなればより質のいいものが出荷できるので、多くの人に食べてもらいたい」と話した。

 県漁協によると、昨シーズンの生産量は約1500トンで、今シーズンも昨年と同じ数量を見込んでいる。

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