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女子大生が硯作り 県、職人採用を目的に就業体験事業 5人が参加 石巻・雄勝

雄勝硯の職人(右)の指導を受けながら石の加工を行う参加者

 県は27日、県内の伝統工芸品産業の魅力を発信し、後継者の育成につなげることを目的とするインターンシップ(就業体験)を石巻市雄勝町で開いた。北海道、山形、東京の女子大学生5人が参加し、職人の技を間近で見て体験した。

 インターンは2泊3日で行われ、初日の27日は雄勝町内で雄勝石の採掘場を見学。雄勝硯(すずり)生産販売協同組合の工場では、石を好みの大きさや形に加工し、皿と雄勝硯を作った。

 参加者は28日にも作業を体験。29日には同町の移住者から地域の魅力などを聞き、移住した際の生活のイメージを膨らませた。

 雄勝硯は600年以上の歴史を持つが、職人は東日本大震災や高齢化などの影響で減少し、現在は7人にまで減っている。

 東北芸術工科大(山形市)3年の村田海(まりん)さん(21)は「作業は繊細な感覚が必要で、根気もいるが楽しかった。職人になってくれと言われたら縁だと思い、喜んでやるかもしれない」と意欲を見せた。

 インターンは技術の習得や職人に興味を持つ人を対象に本年度スタートした。県の担当者は「担い手を募集する職人や団体と連携し、就業体験を来年以降も続ける。担い手を確保できるように移住や定住までをサポートしていく」と話した。

伝統的工芸品インターンシップ - 宮城県

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