(730)がまずみの実に太陽のひとつひとつ/阿部みどり女(1886~1980年)
がまずみの実は小さくて、真っ赤に熟す。果実酒にすることが多いようだ。見つけるとうれしくなる木の実の一つ。普通ならば下五は「ひとつづつ」と字余りでなく終わらせてしまうところ。だが、それでは心の輝きが伝わらない。実のひとつひとつに、太陽がひとつひとつ宿っている。この念を押した部分、小さな実にひとつひと…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。