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石巻・宮富士工業の高橋さん、「現代の名工」に 卓越した溶接技術、40年近く腕磨く

アーク溶接に集中する高橋さん

 優れた技能を生かし、産業振興に貢献してきた第一人者を顕彰する2023年度厚生労働大臣表彰「現代の名工」に、アーク溶接工で宮富士工業(石巻市)工場長の高橋茂男さん(59)=石巻市真野=が選ばれた。名誉を喜びつつ、さらに上を目指す気概を見せる。

 直径16メートル、高さ20メートルの大型タンクや仙台空港前の通路用シェルター、原発の大型空調ダクトなどの溶接を担当してきた。「欠陥がなく、きれいな出来栄えの製品を早く作る」を心がける。

 石巻市出身。河南高(現石巻北高)を卒業後、トラック運転手などを経て、22歳の時に宮富士工業で溶接工になった。当初は短期アルバイトのつもりだったが、溶接の難しさに魅力を感じ、道を究めようと就職した。

 40年近く腕を磨き、県溶接技術競技大会で4回優勝した。全国大会では大企業の職人と上位で肩を並べたこともあるが「『素晴らしい仕上がり』と思ったら進歩しなくなる」と出来栄えに満足したことはない。

 現代の名工に選ばれても「さらに高みを目指したい」と職人としての姿勢に変わりはない。

 宮富士工業で工場長を務め、後進の指導に励む。まずは自らの技術を見せて、考えさせる。県大会で優勝する後輩もおり「若手に負けたくないと思う半面、早く自分を追い越してほしいという気持ちもあり、うれしい」と顔をほころばせる。

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