(741)牡丹粗朶(そだ)焚く梟(ふくろう)に見守られ/中根美保(1953年~)
「牡丹粗朶焚く」は、「牡丹焚火(ぼたんたきび)」のこと。須賀川牡丹園で枯れた牡丹の木を焚き供養するのだが、見る人それぞれが亡き人を偲(しの)ぶ想(おも)いに包まれる。牡丹焚火は、牡丹園の樹齢数百年といわれる大欅(けやき)の前で行う。一時期この欅に梟が棲(す)んでおり、作者はそれを知っていたのだろう…
関連リンク
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