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食事改善し8年かけ50kg減 山形の料理研究家、経験生かし飲食店開業 地元野菜中心に健康的なメニュー提供

店内で「Tsunagu膳」を手にする鈴木さん

 山形県東根市の料理研究家鈴木沙織さん(38)が20日、山形市に飲食店「Tsunagu(つなぐ)」を開く。50キロ減量した経験を生かし、野菜中心のヘルシー料理を提供する。新型コロナウイルス禍を機に帰郷した鈴木さんは「自分の活動と山形の豊かな食文化を発信したい」と新たな夢に挑む。

「Tsunagu膳」。鶏肉と根菜の煮込みやグリーンサラダなどを盛り込んだ皿(右上)は平清水焼を使う
和洋のアンティーク家具で彩った店内

ビーガン対応の料理も

 山形市本町の市複合文化施設やまがたクリエイティブシティセンターQ1(キュウイチ)に出店。約70平方メートルのフロアに16のテーブル席を設けた。

 メインは和風の「季節のTsunagu膳」(1980円)。自家栽培や地元農家から仕入れた野菜をふんだんに取り入れ、食物繊維が多い五分づきの県産ブランド米「つや姫」のご飯が付く。皿は山形市の伝統陶芸「平清水焼」を使う。

 「旅するごはん」(1580円)はスパイスとオリーブオイルで味付けしたビーガン(完全菜食主義者)対応のプレート。数種のスパイスを自家調合したカレー(1100円)もある。

 小麦粉や白砂糖を使わず糖質、脂質を減らし、500~600キロカロリー台に抑える。「地元食材を使って見栄えの良いメニューにした。目や舌など五感で楽しんでほしい」と話す。

 上京し、製薬会社で働いていた2015年に減量を始めた。食事の改善などで最大97キロあった体重を8年ほどで約半分に減らした。その時に考案した料理を交流サイト(SNS)で発信すると、テレビ番組や雑誌で紹介されて活動の幅が広がり、料理本も出版した。

 だが、コロナ禍で100人ほど生徒がいた料理教室の運営が難しくなり、21年に帰郷。「山形の食材が使える地元で店を開きたい」と次の夢に向かった。菓子メーカーに勤務経験のある父照秋さん(66)がオーナーになって、後押しした。

 鈴木さんのSNSの総フォロワー数は3万5000人。既にファンの予約が入っているという。「料理教室やメニュー研究のアトリエとしても活用し、人と食をつなぐ場にしたい」と店の将来を思い描く。

 11月はプレオープンで、正式な開業は12月2日。営業時間は午前11時~午後6時。連絡先は070(4068)4701。

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