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笑顔と絆育み30年 石巻・不動町の民間福祉施設「明笑館」、あす作品展示販売会

正月飾りやパッチワークのバッグなどを展示販売する

 石巻市不動町1丁目で市民が運営する福祉交流施設「明笑館」が、今年で開館30周年を迎えた。介護者と要介護者が集い、牛乳パックでだるまを作る活動から始まり、今は市民が幅広く活動する。「できることを無理なくやる」との信条で続いた。3日、毎年恒例の作品展示販売会を開く。

 明笑館は1993年7月に開館した。佐々木勝男代表(81)と妻幸子さん(80)が運営し、市内の60~80代約30人が利用している。

 母を介護していた幸子さんが「1対1での介護に追われる日常から抜け出し、みんなで集まる場があれば」と思い立ったのが開館のきっかけ。当時は介護保険制度が始まる前で、家庭で身内の世話をするのが基本だった。「介護していると世界が狭くなってしまうから」と幸子さんは振り返る。

 明笑館の利用者から「これもできるのでは」と声が上がり、活動は徐々に増えていった。現在はパッチワークのほか卓球や体操、ミニデイサービスなど各講座が週ごとに開かれている。

 幸子さんは「利用者の方がいるから続いた。年齢や継続期間などにこだわらず、やれることをするのが一番」と話す。

 東日本大震災では津波で1階が浸水した。半年後から活動を再開し、2014年に隣接地に移転した。

 開館から30年がたち、館は地域なじみの存在になっている。周囲から材料の提供があるといい、押し入れには牛乳パックや着物の端切れが詰まったケースが並んでいた。

 3日の作品展では利用者が丹精した正月飾りやパッチワークのハンドバッグ、チラシで編んだ籠などを展示する。白菜や大根など自家製野菜の販売や焼きそばの屋台もある。売り上げは活動資金に充てる。

 午前10時~正午。連絡先は同館0225(22)4895。

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