図書委員が読み聞かせ 矢本東小、読書習慣定着に力 始業前に「一人本タイム」
東松島市矢本東小(児童450人)は、読書活動に注力している。学力の土台をつくる読書習慣を低学年の段階から形成し、多様なジャンルの本に親しんでもらうため、工夫を凝らした取り組みを実践している。低学年が宿題として読んだ本の紹介をするアウトプットの活動はコミュニケーション能力の育成にもつながっている。
図書委員(15人)は1年生に読み聞かせをする「一箱本屋さん」や、いろいろな本に親しんでもらうための「背番号ビンゴ」を企画する。
「一箱本屋さん」は、図書委員が森などをテーマに図書室の蔵書を入れた手作りの四つの本箱を用意し、図書室で1年生に読み聞かせをする。図書委員長の6年真籠咲衣さん(11)は「1年生が喜んで聞いてくれるのがうれしい。いろいろな本に親しんでほしい」と話す。
「背番号ビンゴ」は蔵書の分類番号(背番号)に着目。図書室で借りた本を返す時にビンゴカードを出して、本の背番号の数字のマスにシールを貼り、ビンゴになればプレゼントがもらえる。
1、2年の低学年は火曜日を「読書の日」に設定する。図書室で本を借り、この日の宿題は読書だけになる。水曜日の「学級の時間」でグループごとに読んだ本の紹介をする。
相沢進校長は「読書は知識の習得や表現力、語彙(ごい)力の育成につながる。読んだ本の魅力を伝えるアウトプットの活動でコミュニケーション能力が向上する」と成果を語る。
各学年の教科書に載っているお薦めの本をたくさん読んだ児童から図書担当の教諭が取材し、子どもの心に響いた本の魅力をお昼の放送で紹介している。
同校は「一人で静かに」を合言葉に、毎日始業前に全校で「朝の一人本タイム」を実施する。各学年が年に2回、学区内にある市図書館を訪れ、利用方法を勉強したり、自由に読書を楽しんだりしている。
市図書館から図書館司書が訪れ、読み聞かせや本の紹介をする「ブックトーク」もある。本年度は1、3、5、6年が対象だ。
読書に親しむ環境や読書意欲を喚起する取り組みが、児童の読書熱や学びの意欲を後押ししている。相沢校長は「読書は学力を支える基盤になる。読書を推進し、確かな学力の育成につなげたい」と強調する。
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