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震災伝承にパッチワークを 被災着物が素材 呉服店関係者、石巻市立全校に作品贈る

佐々木校長(左)にパッチワーク作品を手渡す米倉純一さん

 石巻市内の呉服店関係者らでつくる「石巻チクチク倶楽部(クラブ)」は東日本大震災の記憶の伝承に活用してもらおうと、津波で被災した着物を使ったパッチワーク作品を市内の全小中学校と市桜坂高に配ることを決めた。6日に市防災センターであった定例校長会で各校に20枚ずつ配られた。

 作品は東京都立川市の復興支援団体「できることをできるだけプロジェクト」(しおみえりこ代表)が2011年から被災し汚れた着物を洗い、50センチ四方のパッチワークに生まれ変わらせてきた。倶楽部は材料として被災した着物を提供。パッチワーク作りの輪は国内外に広がった。石巻市は22年にパッチワーク作品2000枚の寄贈を受け、市震災遺構「門脇小」で保管してきた。

 校長会には、倶楽部メンバーでいずれも同市中央2丁目の呉服店「かめ七」の米倉純一さん(74)と日本料理店「八幡家」の阿部紀代子さんが出席。阿部さんが「未来を担う子どもたちに震災の記憶をつないでもらいたい」と制作の経緯や思いを説明。米倉さんが、校長会会長で中里小の佐々木俊校長に作品を手渡した。

 各校では作品を震災教育や校内展示などに活用する予定だ。

 パッチワーク作りは現在も続き、参加国は延べ50カ国となった。倶楽部のメンバーで米倉さんの妻絹枝さん(74)は「震災の記憶はだんだん薄れていく。子どもたちに作品を通して震災の記憶を残していってほしい」と話した。

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