獅子頭、女川小に寄贈 保存会の阿部会長「郷土芸能普及に」 児童、舞で返礼
郷土芸能の普及や子どもたちの成長に役立ててもらおうと、女川町竹浦獅子振り保存会の阿部貞会長(72)が5日、同町女川小(児童214人)を訪れ、自宅で保管していた獅子頭1基を贈った。同小で獅子振りの伝承に取り組む児童らが活用する。
獅子頭は5年の佐藤弥里君(10)と鈴木碧虎君(10)が受け取った。2人はお礼に、他の児童4人と感謝の舞を披露した。
佐藤君と鈴木君は、下級生が授業で獅子振りを体験する様子を見て「自分たちもできる」と、今年1月に「女川小獅子振り隊」を結成。来訪者への披露をはじめ、町で開かれるイベントで100回以上舞い、町民らの無病息災を願ってきた。
2人は町内の獅子振り保存会にも顔を出し、大人から技術を学ぶなど研究熱心。活躍ぶりを見ていた阿部会長が、東日本大震災をきっかけに知り合いから譲り受け、使っていなかった獅子頭の寄贈を決めた。
佐藤君は「この獅子で今以上に地域を盛り上げたい」と意気込み、鈴木君も「後輩たちにも教えて、代々受け継いでいけるようになるといい」と願った。
女川小獅子振り隊は、2024年1月2日、石巻市内の商業施設の初売りイベントに招かれている。寄贈された獅子頭で、新年を祝う舞を披露する予定だ。
阿部会長は「子どもたちが舞うことによって町全体が元気になる。長く続けられるようにできる限り協力していく」と話した。
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