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被災着物素材のパッチワーク作品、薫風にそよぐ 2000枚を虫干し 石巻

カラフルな布が手すりなどに干された市かわまち交流センター
屋上に虫干しされるパッチワーク作品

 石巻市内の呉服店関係者らでつくる「石巻チクチク倶楽部(くらぶ)」は4月27日、東日本大震災で被災した着物で作られたパッチワーク作品2000枚の虫干し作業を同市中央2丁目の市かわまち交流センターで行った。復興への願いを込めて世界中で縫われた色とりどりの布が施設を覆った。

 作業は作品の湿気を取り、カビを防止するために実施。50センチ四方の作品を5枚ずつ安全ピンで留め、センター屋上や外階段の手すりなどに干した。作業には関係者や地元と東京からのボランティアら計約20人が参加した。

 パッチワーク作品は東京都立川市の復興支援団体「できることをできるだけプロジェクト」が、2012年に震災で被災した着物を使って制作を始めた。津波などで汚れてしまった着物を一枚一枚洗い、国内外でのワークショップや個人の協力などで作品を増やしていった。集まった作品は昨年、石巻市に寄贈された。

 制作は国内外で現在も続けられている。先日はロシアの侵攻が続くウクライナから同市に避難している女性も加わり、参加国は50カ国になった。

 プロジェクト代表のしおみえりこさん(70)は「この布が人をつなげていく。今後も石巻で虫干しやイベントをしたい」とさらなる輪の広がりを見据えた。

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