(764)炉話の抱きしめられてゐる子かな/太田土男(1937年~)
囲炉裏(いろり)のあった昔の情景です。寒い夜は火を囲みながら、お爺(じい)さん、お婆(ばあ)さんの話を聞くのが、子どもたちの楽しみだったのではないでしょうか。語り継がれてきた怖い話や不思議な話、ためになる話は尽きることがありません。この句の一つ前には<炉話の婆さまの口の裂けてきし>という怖い句が並…
関連リンク
- ・(763)水と茶を選べて水の漱石忌/斉藤志歩(1992年~)
- ・(762)十二月八日の霜の屋根幾万/加藤楸邨(1905~1993年)
- ・(761)眼の奥に陽光溜めて猪撃たる/金子兜太(1919~2018年)
- ・(760)闇汁の豊葦原でありにけり/渡辺誠一郎(1950年~)
- ・(759)枯菊を括(くく)れば胸に日の匂ひ/森有也(1941年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。