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障害ある人の大変さ実感 矢本二中で福祉学習 目隠し歩行など、1年生が疑似体験

目隠しをして歩行を体験する生徒(左)

 東松島市矢本二中(生徒334人)は11月30日、1年生116人を対象に「福祉体験学習」を実施した。生徒たちは高齢者や視覚障害者、車いす利用者の気持ちを理解する疑似体験を通じて、高齢者や障害のある人の大変さを実感し、人権意識も高まった。

 東北文化学園大(仙台市青葉区)医療福祉学部リハビリテーション学科の鈴木誠教授が講師を務め、体育館で行われた。

 疑似体験は(1)高齢者体験キットを用いて日常生活の不自由さを知る(2)視界を遮断して移動の不自由さを理解する(3)車いすバスケット(4)車いすに乗って障害物を回避する-の4コースを設け、大学側が体験する生徒を割り振った。

 視界を遮断して移動の不自由さを理解するコースでは、サポート役の生徒が1人付き、目隠しをして白杖(はくじょう)がない場合とある場合の歩行を体験。おぼつかない足どりでやっとの思いで歩いた。「寄り添う仲間がいるから歩行できる」と認識し「歩道や道路だったら不安」という生徒もいた。

 視覚障害者の体験をした和田昂大さん(13)は「実際は短い距離なのに体験の時はとても長く感じて見えないことが不安だった。白杖がないときはもっと不安だった」と話した。

 尹思優さん(13)は「高齢者体験は関節が曲げづらくてとても大変だった。祖父母と同居しているので、サポートしてあげたいなと思った」と語った。

 鈴木教授は「私たちが気付いていないだけで、社会や身の回りには障害のある方が多くいる。心を通わせること、『困っていないですか?』と関心を持つことが大切」と助言した。

 学校現場では多様な人たちと共生する人権教育が求められている。渋谷和彦教頭は「福祉体験を通じて、生徒は障害者らと共生することを深く考えるきっかけになった。支えることで安心感を生む優しい社会の担い手になってほしい」と期待した。

 東松島市と東北文化学園大は2017年8月、包括連携協定を締結。矢本二中と同大は19年度、教育分野の協定を結んだ。福祉体験学習は教育分野の取り組みの一環。

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