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元気の実、リンゴを石巻地方の小学生に 9500個を寄贈 津軽みらい農協

リンゴを持ち記念撮影する贈呈式の出席者

 東日本大震災後に石巻地方の子どもたちへリンゴを毎年寄贈している津軽みらい農協(平川市)は、石巻地方2市1町の小学生にリンゴ206箱、計約9500個を贈った。橋渡し役の石巻青果が各市町に届けた。

 寄贈は被災地の子どもたちを元気づけようと2011年に始め、13年連続になった。品種は収量が多く甘みと酸味のバランスがいい「サンふじ」。今年は猛暑の影響や鳥、クマなどの食害もあり、収量は減ったものの例年通りの品質に育ったという。

 東松島市役所で4日、贈呈式があり、同農協の工藤俊博組合長をはじめ、各市町教委や石巻青果の関係者らが出席した。工藤組合長は「形ある物は復興が進んだと感じるが、心の傷が癒えるにはまだまだ時間がかかると聞いた。リンゴの生産が続く限り継続していきたい」と話した。

 3市町を代表し、渥美巌市長は「震災のハード事業は終わっているが、被災した方々に寄り添った心の復興は大切。子どもたちのためにリンゴを頂き、心から感謝している」と述べた。

 児童を代表して同市矢本東小6年の阿部凜瑠さん(11)と佐藤健太郎さん(11)も出席した。佐藤さんは「毎年おいしいリンゴが届くのを楽しみに待っているので、中学生になったら食べられなくなるのが残念。今年はいつもより味わって食べたい」と笑顔で語った。

 1箱46個入りで、石巻市に151箱、東松島市に49箱、女川町に6箱が贈られた。

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