土木学会デザイン賞 最優秀賞に「復興かわまちづくり」 防災と親水の両立、評価
石巻市中心市街地の北上川を生かした「復興かわまちづくり」が、公益社団法人土木学会景観・デザイン委員会主催の本年度「土木学会デザイン賞」で、最優秀賞に選ばれた。東日本大震災を教訓に河川堤防を整備し、防災力の向上と親水空間の創出を両立させたことなどが評価された。
復興かわまちづくりは、市や国、有識者、事業者、住民が官民連携で全体のデザインを構築した。無堤だった河口部の両岸計約15キロに堤防を整備。市街地に隣接する中央地区は川辺や堤防上に憩いの空間を設け、イベント会場としても活用する。
選考委員は講評で「被災から多くの困難を乗り越え、堤防による川とまちの断絶を回避し、おおらかな水辺空間のトータルデザインを達成した」、「震災前まで無堤だったことを踏まえれば、この風景は驚くべき自然さだ」などと評価した。
市のかわまちづくりは前年度、国土交通省の「かわまち大賞」も受賞した。斎藤正美市長は7日の定例記者会見で「多くの方々と協力し、素晴らしい川とまちの風景、水辺空間になったことを評価してもらった」と喜び、「今後も川と共に発展を続け、市の新たな魅力を全国に発信していく」と語った。
土木学会デザイン賞は優れた土木構造物や公共的空間のデザインの実現に貢献した事業に贈る顕彰制度で、2001年度に始まった。今年は全国から20件の応募があり、最優秀賞には石巻市を含む3件が選ばれた。19年度には女川町が復興事業で整備した「女川駅前シンボル空間」が最優秀賞を受賞した。
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