登校見守り「卒業」 児童、15年間ボランティアの末永さんに感謝状 石巻・大街道小
石巻市大街道小(児童206人)の通学路で、児童の登校を見守り続けてきた末永成二さん(88)=石巻市大街道南=が活動を「卒業」した。15年間ボランティアを続けたが、年齢や健康面を理由に6月に引退した。同校は今月14日、全児童が参加して感謝を伝える会を開き、6年生29人が1枚ずつ書いた感謝状や花束を贈った。末永さんは「見守りは生活の一部で、子どもたちのあいさつが一番の力になった」と話した。
末永さんが活動を始めたのは、現在は同校で図書館司書を務める孫の朱音さん(22)の入学がきっかけ。当初朱音さんの登校に付き添っていた末永さんは、学校近くを通る国道398号の交通量が多いことから、交差点で児童たちの登校を見守るようになった。
登校日は毎朝、午前7時半から8時ごろまで交差点に立ち、「横断中」と書かれた旗を手に児童とあいさつを交わした。学校が用意した蛍光グリーンのジャンパーは日に焼けて薄い色に変わった。「もうすぐ89歳。年齢も年齢だから」と末永さん。6月に体調を崩したこともあり、学校に引退を申し出た。
会では、通学で交差点を通る6年の高橋采己(こと)さん(11)と今野心咲(みさき)さん(12)が代表で感謝状と花束を手渡した。高橋さんは「朝から元気にあいさつを返してくれたり、お話しをしていただいたり、今日も学校を頑張ろうと元気が湧いてきました」と感謝状を読み上げた。
末永さんは「15年間お手伝いさせてもらったが、皆さんの『おはようございます』という言葉にとても励まされた。冬休みに入っても交通安全に注意してください」と呼びかけた。
太田文子校長は「毎日続けるのはなかなかできることではない。末永さんのように支えてくれる人たちがいることを、子どもたち自身も自分の命を守る行動をより意識するきっかけにしてほしい」と語り、末永さんに「散歩の時にでも着けてもらえたら」と学校の「安全見守り隊」のカードを贈った。
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