(777)泥に降る雪うつくしや泥になる/小川軽舟(1961年~)
静かに降る雪である。ぬかるみに降る雪は、次の瞬間に融(と)けて色を失い消えていく。何げない景のようだが、こう書かれると雪の白さが一層際立つ。句の「切れ」が効果的で、切れ字「や」の前の雪の白さと、後の泥との対比が鮮明に見えるのだ。ところで雪と泥は、美しいものと汚いものの象徴のようにも思える。それがこ…
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