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(777)泥に降る雪うつくしや泥になる/小川軽舟(1961年~)

 静かに降る雪である。ぬかるみに降る雪は、次の瞬間に融(と)けて色を失い消えていく。何げない景のようだが、こう書かれると雪の白さが一層際立つ。句の「切れ」が効果的で、切れ字「や」の前の雪の白さと、後の泥との対比が鮮明に見えるのだ。ところで雪と泥は、美しいものと汚いものの象徴のようにも思える。それがこ…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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