本屋の役割や可能性探る 石巻まちの本棚、10周年記念誌を発行
石巻市中央2丁目の石巻まちの本棚が発行した「本の教室はじめます~『いしのまき本の教室』の記録」が、これからの本(本屋)と地域・人づくりの関係を示した冊子として市民の間で評判になっている。
本書は、同市の一般社団法人ISHINOMAKI2.0と「一箱本送り隊」が2013年7月に共同で開設した石巻まちの本棚が昨年、オープンから10周年を迎えたのを記念し制作した。内容は15年から開催しているトークとワークショップによる「いしのまき本の教室」の記録集で、23年3月の第17回までを紹介している。
各地から招いたゲストは書店主や編集者、出版者、ライター、イラストレーターと多彩。内容も「ブックカフェのはじめかた」「地域雑誌にしかできないこと」「被災地の『本のある場所』を訪ねて」「出版社にできること」「街には本屋さんが必要です」と本を切り口にした示唆に富んだものばかり。参加者の声や石巻まちの本棚の年表も収録している。
東日本大震災後、本屋さんがなくなった街中の「本の拠点」を目指し活動してきた石巻まちの本棚にとって、本書は街が再生に向かう中で「本のある場所の役割・意義・可能性」を探った興味深い1冊となった。
マネジャーの勝邦義さん(41)ら本棚のスタッフ6人による初めての本作りだった。本が人や地域など何とでもつながることができることを実感。「本のある場所の状況や本を巡る地域活動の実例などさまざまな要素が詰まったものになった」と強調する。
A5サイズ、96ページ。定価1100円。石巻まちの本棚=営業は土・日・月曜、各日午前11時~午後6時=などで扱っている。
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