(819)春愁やくらりと海月くつがへる/加藤楸邨(1905~1993年)
春になり暖かさが増してくると、心がウキウキしてきます。それに反するように、ふっと憂鬱(ゆううつ)な気持ちが湧いてくるのが春愁です。もしかしたら寒暖差で自律神経の調子を崩しているのかもしれませんが、季語になっているのは面白いですね。気持ちの沈む作者の前で、海月(くらげ)が向きを変えました。気分の浮き…
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