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石巻・旧雄勝中跡地のブドウ農園、整備 有志ら地中パイプ敷設 4月の栽培開始を実感

苗木の植樹に向け、ブドウ園で暗渠整備に精を出す有志たち

 ワイン用ブドウの農園造りを目指す石巻市雄勝町の旧雄勝中跡地で17日、地中にパイプを敷設するなどの暗渠(あんきょ)整備作業が行われた。ブドウ栽培への参画を希望する有志らが県内外から集合。4月の栽培開始が近づいていることを実感しながら、協力して作業に当たった。

 ブドウ園整備は、一般社団法人「MORIUMIUS FARM(モリウミアスファーム)」が官民連携の「雄勝ガーデンパーク事業」の一環として進めている。旧雄勝中跡地やその周辺の約2ヘクタールを借り受け、設備を整えた後に苗木を植える。5年後の2029年に収穫し、醸造後、30年にワインとして販売を開始する計画だ。

 水はけを良くするための暗渠整備作業には、雄勝の複合体験施設「MORIUMIUS」の利用者や関東から駆け付けた約20人の有志が当たった。地面に10メートル間隔で45センチ程度の深さの溝を掘り、パイプを設置したり、砂利や砂を入れたりした。

 有志として参加した東京都の農林水産省職員河合智之さん(37)は「雄勝は森や海と近く、命の循環を感じ取れる場所。食や農作物は生きることに欠かせないので、息の長い活動を続けていきたい。心の古里として根差す人が増え、活力になれればうれしい」と話した。

 同法人によると、ワインなどの特典が付く「農園主」を1口5万円で募集した結果、全国から約200人が集まった。4月、応募者と一緒にブドウの苗木7種約1300本を植樹する予定。

 油井元太郎代表理事(48)は「ブドウ園を通じて、雄勝に足を運び愛着を持ってもらうことで、人のつながりが生まれる。まちづくりが最終的なゴール」と期待する。

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