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「のらぼうヌーボー」 伝統野菜、3品種1.5トン流通へ 東松島の石原さん生産、きょう出荷

出荷シーズンを迎えたのらぼうと石原さん
石原さんが育てたのらぼう。筋張った部分を避けて手折りで収穫される

 関東の一部地域で春先に出回る伝統野菜「のらぼう(のらぼう菜)」を東松島市赤井で育てる農業石原慶太さん(60)=石巻市中里=が、22日に出荷を始める。石巻地方では珍しい新野菜の普及を目指し、4季目の今年は新たに早生(わせ)と晩生(おくて)を加えた3品種を市場に出す。

 出荷シーズン入りに当たり、石原さんはワインの新酒「ボージョレ・ヌーボー」に引っ掛けて「のらぼうヌーボー」と名付けPRを図る。

 のらぼうはアブラナ科で海外由来の品種だが、埼玉や東京、神奈川の一部地域に江戸時代から伝わる伝統野菜。関東地域では2月中旬から5月上旬まで、主に一部の農産物直売所で出回る。

 柔らかい茎にほのかな甘みがあるのが特徴で、100グラム当たりのビタミンCがホウレンソウやイチゴの約2.8倍と豊富。ベーコン炒めやパスタのほか、サラダなど生でも食べられる。

 東京出身の石原さんは20年以上前に埼玉県内の直売所でのらぼうに出合い、おいしさを実感した。現在住む石巻地方では出回っていなかったため、自分で作ることにしたという。

 もう一人の生産者と合わせ、石巻、東松島両市の農地(計約1000平方メートル)で栽培。2020年の開始から育ててきた品種に、今季は早生と晩生の各品種を加え、合わせて1.5トンの出荷を目指す。

 出荷期間を長くしようと前倒しの収穫も試みた。しかし1月中旬に出荷サイズまで育ったものの特有の甘みが感じられなかった。そのため収穫を止めて試食を繰り返し、昨季と同時期に落ち着いた。

 「甘みが出るまで待ち、育つリズムやおいしくなる時期が分かった」と石原さん。「ゴマあえや豚肉と炒めるなど、まずは味が分かるシンプルな料理で食べてみてほしい」と勧める。

 22日は石巻市恵み野6丁目の「グリーンサムいちば」で販売が始まり、その後は順次、いしのまき元気いちば(石巻市中央2丁目)、フレスコキクチ矢本店(東松島市矢本新沼)などに並ぶ予定。価格は200グラム158~178円。

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