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(860)一僕とぼくぼくありく花見哉/北村季吟(1624~1705年)

 「僕」は使用人の意。「ぼくぼく」は辞書を引くと、「ゆっくりと歩くさま」とある。「一僕」と「ぼくぼく」の音の重なりは、底の見えた理知というより、お馬鹿(ばか)指数マックスとでも言うべきほんわかした雰囲気を生んでいる。声に出して読みたい春の句だ。作者の北村季吟は松尾芭蕉のお師匠。俳諧の人としても有名だ…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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