(856)春の雲素顔ひとつに決められぬ/なつはづき(1968年~)
普段人前に立って明るく元気に振る舞っている人が、一人になると静かで孤独を愛する人だった、などということはよくある。もし、どちらがあなたの「素顔」ですかと問われたら、どちらも自分だと思いますが…と、その人は困惑してしまうだろう。また、その人の趣味が俳句とテニスと音楽鑑賞だとして、そのどれもが個人を形…
関連リンク
- ・(855)木になりて春の鳥どち宿したし/中嶋鬼谷(1939年~)
- ・(854)地球儀の半球眩し彼岸過/加藤右馬(1990年~)
- ・(853)牛死せり片眼(かため)は蒲公英(たんぽぽ)に触れて/鈴木牛後(1961年~)
- ・(852)蕗のたう洗ふや水の手になりて/常原拓(1979年~)
- ・(851)うぐひすのこゑに小さく畳む紙/安里琉太(1994年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。