(855)木になりて春の鳥どち宿したし/中嶋鬼谷(1939年~)
ままならない現実が嫌になって、木や鳥や猫になりたいなんて思うことがあります。人の持つ複雑さや気持ちの浮き沈みをどこかに置いて、気楽な自然界の存在に心を託すのです。この句では木になり、さらに鳥たちをその身に宿したいと詠んでいます。「鳥どち」とは「鳥たち」を指す言葉です。物言わぬ木になりたいという静か…
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