(861)パレットの絵の具つぶらや春の森/高柳克弘(1980年~)
「つぶら」は「円ら」と書き、小さく、丸く、可愛(かわい)らしい様子を指します。「つぶらな瞳」とよく言いますね。絵を描くためのパレットに絵の具が置かれ、一つ一つがふっくらと盛り上がっています。森というと常緑樹の暗い緑色や木漏れ日の明暗が思い浮かびましたが、春の森を描こうとする画家の目には、たくさんの…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。