(864)咲(さく)からに見るからに花の散(ちる)からに/上島鬼貫(1661~1738年)
「~からに」という表現を繰り返し、桜の様態が詠まれています。意味が複数ありますが「ただ~だけで」と取れば、「咲くだけで、見るだけで、散るだけで」となり、「咲いて散る、それだけで桜のなんて美しいことだ」と詠嘆した句と受け取れます。あるいは「~やいなや」と取れば、「咲くやいなや、見るやいなや、散るやい…
関連リンク
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