(880)来たことも見たこともなき宇都宮/筑紫磐井(1950年~)
宇都宮駅で停(と)まる東北新幹線の車中で思い出すのがこの句。無季である上に不思議な様相を呈している。いったい作者はどこにいて、本当に宇都宮について何も知らないのか? ふと次のような想像が膨らむ。昔話に登場する乙姫の住む「竜宮」。深海の宮殿だが、作者は「宇都宮」の都や宮の字から竜宮城を妄想したのでは…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。