山から見てみた石巻(7) 女川町・黒森山 復興歩む街、新たな景観
気温20度前後と、この時期にしては少し暑いと感じる4月下旬、JR女川駅後方(北西)にそびえる標高401メートルの黒森山に登った。
二つある登山口のうち、町総合運動場アスレチック広場脇の歩道を選んだ。ウグイスの鳴き声を聞きながら20分ほど雑木林を登ると、女川町の中心部を一望できる展望台に出た。八重桜やツツジなどが咲き、地面からはワラビがちらほらと顔をのぞかせている。
街を見下ろすと、東日本大震災後に移転新築した町役場をはじめ、女川小中の校舎、町の産業を支える魚市場といった新しい街の景色が並び、復興の歩みを肌で感じた。
山頂へはさらに林道を横切って進む。厳しい勾配が続き、木につかまりながら登ると頂上に出た。登山口から1時間あまり。開けているが、足元の木々に遮られ町の中心部の展望はない。トレッキング程度と軽い気持ちだったが、登山用の靴は必須だと痛感した。
女川町には町最高峰の石投山(455メートル)、石巻市荻浜との境に位置する大六天山(440メートル)もある。海の町というイメージだが、山にも魅力が詰まっていることを再確認できた。(大谷佳祐)
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