(892)ふちどれる水はりつめて浮葉かな/村上鞆彦(1979年~)
季語の「浮葉」は、初夏に蓮(はす)の根茎から出て、しばらく水面(みなも)に張り付いたように浮かぶ新葉のことを言う。池の水面に大きな緑の葉が浮かぶ姿は涼やかだ。この句は浮葉の縁(ふち)と接する部分の水を詠んだ。蓮の葉はその構造と特性により、決して濡れることがない。「ふちどれる」「はりつめて」と、良く…
関連リンク
- ・(891)薔薇園に入るほかなき薔薇の径/津高里永子(1956年~)
- ・(890)おそるべき君等の乳房夏来る/西東三鬼(1900~1962年)
- ・(889)地震のことどこか心に青き踏む/深見けん二(1922~2021年)
- ・(888)初節句抱けどあらがふこと覚え/仙田洋子(1962年~)
- ・(887)山國の蝶を荒しと思はずや/高浜虚子(1874~1959年)