天然アサリ、続々 今季の漁始まる 初日は535キロ出荷 石巻・万石浦
石巻市の万石浦の干潟で9日、今季のアサリ漁が始まった。県漁協石巻湾支所の組合員と家族ら約100人が殻長3センチ以上の天然アサリを手際よく掘り出した。初日は535キロを出荷した。
組合員らは船で同市梨木畑岸壁から約200メートル離れた干潟に移動し、熊手で砂をかいてアサリを探した。今年は温暖化の影響などで死滅した稚貝も目立った。
組合員の斎藤晃さん(59)は「死滅で身がないものもあるが、全体的に身入りはいい。みそ汁にしたり、バターで蒸したりと、さまざまな食べ方をしたい」と話した。
東日本大震災前の万石浦は年間50トンの生産量を誇るアサリの産地だった。震災の津波でアサリが流出、40ヘクタールほどあった干潟も地盤沈下などで機能を失った。県が国の補助事業を活用し、2016年度までに約4ヘクタールの干潟を再生させた。漁は17年度に再開した。
万石浦のアサリは味が濃く、甘いのが特長。石巻湾支所が資源保護やブランド化に取り組んでいる。
斎藤幸一運営委員長は「自然の影響で例年より出荷量が少なくなるかもしれないが、地元の特産物を多くの人に味わってもらいたい。資源管理をしっかりして、これからもアサリを守っていく」と語った。
漁は10日も行うほか、収穫量を見ながら今月下旬にも実施する見込み。アサリは県内のスーパーなどに出荷され、市内では同市中央2丁目の「いしのまき元気いちば」に並ぶ予定だという。
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