万石浦でアサリ漁、初日出荷820キロ 石巻湾支所の組合員ら笑顔で作業
石巻市万石浦の干潟で19日、今季のアサリ漁が始まった。同市梨木畑岸壁から約200メートル離れた干潟に、県漁協石巻湾支所の組合員と家族ら約80人が入り、熊手を使って手際よくアサリを採った。
万石浦のアサリは味が濃く、うまみが強いのが特長。この日は殻長2~5センチのアサリ約820キロが出荷された。同市中央2丁目のいしのまき元気いちばの直売所には21日に並ぶ予定。
阿部春信さん(65)は、今季最初の漁の感触を「大きいのもおらず、量も去年の半分ほど」と少し物足りない表情を浮かべた。それでも仲間と笑顔で会話しながら、漁を続けた。
万石浦の干潟は、東日本大震災の地盤沈下や浸食の影響で、アサリ資源が流失。生き残ったアサリの母貝から人口採苗し、育成した種苗を、2016年に完成した4ヘクタールの新干潟に放流。自然にアサリが定着し、翌17年に漁を再開した。
石巻湾支所の内海広志磯根部長(61)は「自然のサイクルの中で天然のアサリが育ち、漁をできるのはうれしい。震災後も万石浦のアサリは変わらずおいしいことを感じて」と語った。
今季の漁は7トンの水揚げを上限とし、6月下旬まで行われる予定。
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