(894)傘が地に触れて東京ひこばゆる/黒岩徳将(1990年~)
木の根元や切り株から出てきた新しい芽を「ひこばえ」といいます。小雨がやみ、傘を閉じようと下に向けた時に、近くの切り株の新芽に気付いたのかもしれません。東京であれば伐採された街路樹でしょうか。句の表現から、人が傘を地に着けたその時に、東京の木々の芽が一斉に伸びたのだとも受け取りました。その飛躍が詩の…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。