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文化芸術振興で連携協定 石巻市、武蔵野美大と6項目で協力 東北の自治体初

締結式で、樺山学長(左)が斎藤市長に記念品を手渡した

 石巻市と武蔵野美術大は18日、文化芸術振興に関する連携協力協定を結んだ。同市開成の市博物館(マルホンまきあーとテラス内)を核に、相互の人材育成や資料活用、市民参加の文化振興に向けて連携を深める。同大が東北の自治体と協定を結ぶのは初めて。

 協定は博物館運営の知識習得と実践、学術研究、展示会などでの互いの資料活用、学芸員の実習を含む相互の人材育成など6項目。

 市と同大はこれまで、市博物館の企画展を同大教授が監修するなど親交があった。昨年の第5回企画展「民具のデザイン図鑑」の関連イベントでは、学生が市内でのフィールドワークで制作した作品を展示した。

 締結式が市博物館であり、斎藤正美市長と樺山祐和(さちかず)学長が協定書に署名した。斎藤市長は「市博物館は歴史資料が多く美術系が少ない。協定は博物館の可能性を広げ、市の文化振興に大きく寄与すると期待する」と述べた。

 樺山学長は「牡鹿半島は山や海、クジラという巨大な生命など、アートを志す者にとって興味深いものがある場所で、学生を連れてきたいと思った。石巻を東北での活動拠点にできたらいい」と語った。

 協定の一環で、19日には中高生向けの作品制作ワークショップ「森と海の美術展」が始動した。市内や仙台市の中高生ら約10人が参加。同大講師や学生と共に牡鹿半島でフィールドワークし、制作へのインスピレーションを受けた。ワークショップの成果は11月に市博物館で展示する。

 同大は協定に基づき、牡鹿半島を拠点にした学生のフィールドワークや、作家が地域に滞在して作品を制作する「アーティスト・イン・レジデンス」の実施などを検討している。

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