(912)押し黙ることを礼とす梅雨の星/榎本好宏(1937~2022年)
雨が降り続く日々が続くと、少しの晴れ間もうれしいものです。夜も曇りが多く、なかなか星は見えません。珍しい晴れ間に、あるいは雲の切れ間に見えるのが梅雨の星です。からりとした明るさというよりは、控えめな光の印象があります。押し黙るとは、ただ黙っているよりも強い表現です。言いたいことが胸の中に渦巻いてい…
関連リンク
- ・(911)均等に白磁濁らせ新茶注ぐ/帯谷到子(2008年~)
- ・(910)とめどなく水の花びら湧くいづみ/落合水尾(1937年~)
- ・(909)まつしろに花のごとくに蛆湧ける/高柳克弘(1980年~)
- ・(908)白玉の出て縁側に座を移す/永瀬十悟(1953年~)
- ・(907)今生に白眉いただく涼しさよ/大石悦子(1938~2023年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。