(915)電波もて都会を包む五月闇/和田悟朗(1923~2015年)
句集のあとがきに「ほぼ平成十二年より十六年にかけて」とあります。当時と比べても、電波の種類は格段に多くなりました。都会だけではなく全世界があらゆる周波数で囲まれています。五月闇(さつきやみ)は、梅雨時期の暗闇のことです。明かりのない昔であれば、月も星もない夜の闇はどれだけの深さだったでしょうか。煌…
関連リンク
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- ・(910)とめどなく水の花びら湧くいづみ/落合水尾(1937年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。