(913)天広く手のひら広くアイヌ/マブソン青眼(1968年~)
作者はフランス出身の俳人。句集「あとがき」によると、「マブソン」は「マブの息子」の意で、マブが中世ヨーロッパで「夢想の世を司(つかさど)る妖精の女王」と敬われていたのを知り、突如童心に帰り「五七三」の“無垢(むく)な韻律”と出合ったという。掲句もその無垢な韻律で、北海道の空の広さと、自然信仰の篤(…
関連リンク
- ・(912)押し黙ることを礼とす梅雨の星/榎本好宏(1937~2022年)
- ・(911)均等に白磁濁らせ新茶注ぐ/帯谷到子(2008年~)
- ・(910)とめどなく水の花びら湧くいづみ/落合水尾(1937年~)
- ・(909)まつしろに花のごとくに蛆湧ける/高柳克弘(1980年~)
- ・(908)白玉の出て縁側に座を移す/永瀬十悟(1953年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。