(917)蝸牛伸びきつて殻はづれさう/吉田林檎(1971年~)
蝸牛(かたつむり)と言えばあの童謡。「お前のあたまはどこにある 角だせ槍(やり)だせ あたま出せ」。ところが掲句はそのイメージを裏切って、角も槍も頭も「びよーん」と出し切ってしまった。挙げ句の果てに、殻が外れそうだとは。ユーモアのある句だ。ちなみに「ユーモア」は古代の医学用語で体液という意味のhu…
関連リンク
- ・(916)夏の傷と呼んであげようひざこぞう/及川真梨子(1990年~)
- ・(915)電波もて都会を包む五月闇/和田悟朗(1923~2015年)
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- ・(913)天広く手のひら広くアイヌ/マブソン青眼(1968年~)
- ・(912)押し黙ることを礼とす梅雨の星/榎本好宏(1937~2022年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。