(918)朝焼や酢の金色(こんじき)を飯に打つ/土屋遊蛍(1944年~)
日が昇る東の空が、赤く、美しく焼けているのが朝焼(あさやけ)です。季節にかかわらず見ることができますが、歳時記では夏の季語です。夏至に近づくたびに日の出が早くなるので、早朝の清々(すがすが)しさも言葉の空気感の中に含まれるのでしょう。空の見える台所で作者は酢飯を作っています。ご飯にかける酢が金色に…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。