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(929)紫蘇の香の厨(くりや)ニクロム線の朱/一力 五郎(1902~1947年)

 ニクロム線コンロが、薄暗い梅雨の台所にぼうっと光っている。ほのかに漂う紫蘇(しそ)の葉の香りが、その景色を鮮烈に印象づける。暮らしの中で気になるものをずばっと取り出し、その瞬間の感覚、空気の質感のようなものも表現してしまうのが俳句の魅力。そのような仕方で物を見る視線が生活に浸透している。俳句を通し…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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